自分で蛇口を交換するDIYにおいて、多くの人が最初の関門として直面するのが「古い蛇口の取り外し」作業です。特に、長年使用された蛇口は、水垢やサビで固着していたり、シンク下の狭く暗い空間での作業が困難を極めたりと、一筋縄ではいかないことが少なくありません。しかし、いくつかのコツと注意点を押さえておけば、この難関をスムーズに突破し、新しい蛇口への交換というゴールに大きく近づくことができます。 まず、大前提として、作業を始める前に必ず「止水栓を閉める」という儀式を完璧に済ませておきましょう。これを怠ると、全てが水の泡と化す大惨事を引き起こします。止水栓を閉め、蛇口から水が出ないことを確認したら、いよいよ取り外し作業の開始です。 最初の敵は、給水管との接続部分です。シンク下の棚を開け、蛇口につながっているお湯と水の二本の給水管のナットを、モンキーレンチを使って反時計回りに回して緩めます。この時、ナットが固くて回らないことがよくあります。無理に力を入れると配管を傷つける恐れがあるため、浸透潤滑剤を少量スプレーしてしばらく待つと、驚くほど簡単に回ることがあります。 次に待ち構える最大の難関が、蛇口本体をシンクに固定している、裏側の大きな固定ナットです。ここは非常に狭く、通常のレンチではアクセスが困難なため、「立水栓レンチ」という専用工具があると作業効率が劇的に向上します。このナットも固着していることが多いですが、焦らず、少しずつ力を加えて緩めていきましょう。無事に固定ナットが外れれば、蛇口本体をシンクの上から引き抜くことができます。 長年の汚れや水垢で、蛇口がシンクに固着して抜けないこともあります。その場合は、蛇口とシンクの接合部分にマイナスドライバーなどを差し込み、てこの原理で少しずつこじるようにすると外れやすくなります。ただし、シンクを傷つけないように、布などを当てて保護しながら慎重に作業することが大切です。 古い蛇口の取り外しは、力任せではなく、適切な工具と知恵で乗り切るパズルのようなものです。焦らず、一つ一つの手順を丁寧に行うこと。それが、スムーズな作業とDIYの成功への一番の近道なのです。
蛇口交換DIY!古い蛇口の外し方のコツ