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パイプシャフト内の二つのバルブを見分けるための知識
マンションの管理組合から「水道メーターの検針に協力してください」と言われたり、あるいは急に蛇口からの水漏れが止まらなくなったりした際、私たちはパイプシャフトの中にある元栓を操作することになります。しかし、扉を開けて二つのバルブが並んでいるのを見たとき、どちらが本命の元栓なのか分からず、立ち尽くしてしまうことも少なくありません。この二つのバルブを正しく見分けるためには、まずその配置と配管の繋がり方を観察する眼養いが必要です。多くの場合、水道メーターに最も近く、太い配管に直接繋がっているのが「主元栓」です。これは住戸全体の給水の源流であり、バルブの形状も大きく、堅牢な作りになっていることが一般的です。一方、そこから枝分かれして給湯器という箱型の装置に向かっている細い方の配管にあるのが「給湯用元栓」です。また、ハンドルの色や形状で区別されていることもあります。例えば、主元栓が青色や銀色のレバー式であるのに対し、給湯用が赤色や黄色の円形ハンドルになっているといったケースです。しかし、経年劣化や塗装の剥げにより、色の判別が難しい場合も多いため、最も確実なのは「メーターの動き」を確認することです。家族の一人に家の中で水を流してもらい、その時にパイプシャフト内のメーターが回っているか、そしてバルブを閉めた時にメーターの回転が止まるかを見れば、その元栓が支配している範囲が一目瞭然となります。最近のマンションでは、不慣れな居住者が迷わないよう、バルブの根元に「給水」「給湯」といったプラスチック製の札(タグ)が吊るされていることが増えていますが、古い物件ではそれらが脱落していることも珍しくありません。もしタグがない場合は、自分で防水性のラベルを作成し、どちらが主元栓でどちらがお湯用なのかを明記しておくことをお勧めします。このひと手間が、深夜や早朝に突発的なトラブルが発生した際のパニックを未然に防いでくれます。また、元栓が二つある理由の中には、高層階特有の「減圧弁」が関係していることもあります。上層階では水圧が強くなりすぎるため、元栓のそばに水圧を調整する装置が置かれ、その前後にメンテナンス用のバルブが二つ設置されているのです。いずれにせよ、二つのバルブはそれぞれが重要な役割を担っており、どちらを操作すべきかを知ることは、住まいのインフラを管理する上で欠かせない教養となります。