一日の終わりにリラックスできるはずのバスタイムが、浴槽のお湯が流れずに溜まっていく光景によって台無しにされてしまう。この不快なトラブルは、ある日突然起こるように見えて、実は日々のシャンプーなどで流される髪の毛や石鹸カスが、少しずつ蓄積された結果であることがほとんどです。しかし、幸いなことに、多くの軽度な詰まりは、専門業者を呼ぶ前に自分で解決できる可能性があります。慌てずに、以下の三つのステップを試してみてください。 まず最初のステップは、排水口の「物理的な掃除」です。浴槽の排水口には、通常、髪の毛などが奥に流れていかないようにするためのヘアキャッチャー(目皿)が設置されています。まずはこれを持ち上げて、そこに絡みついている髪の毛やゴミをティッシュなどで丁寧に取り除きましょう。意外とこれだけで、流れが劇的に改善されることも少なくありません。ヘアキャッチャーの奥に、さらに筒状の部品(排水トラップの一部)がある場合は、それも取り外して内側にこびりついたヘドロを古い歯ブラシなどでこすり落とします。 次のステップは、市販の液体パイプクリーナーを使った「化学的な分解」です。物理的な掃除だけでは取り除けない、排水管の奥にこびりついたヘドロを溶かして除去します。詰まりの主原因である髪の毛を溶かす効果が高い、水酸化ナトリウムを主成分とするアルカリ性のクリーナーを選びましょう。製品の指示に従って適量を排水口に注ぎ、三十分から一時間ほど放置して、薬剤が汚れにじっくりと作用するのを待ちます。 そして最後のステップが「一気に洗い流す」ことです。放置時間が過ぎたら、シャワーを使い、四十度から五十度程度のお湯を、できるだけ高い位置から勢いよく排水口に流し込みます。これにより、薬剤によって分解されたり、浮き上がったりした汚れを、水の力で一気に下水管へと押し流すことができます。ただし、熱湯は排水管を傷める原因になるため、絶対に使用しないでください。 この三つのステップを試しても改善しない場合は、詰まりがさらに奥深くで発生している可能性があります。その際は、無理せずプロの水道修理業者に相談するのが賢明です。しかし、まずは自分でできるこの方法を試す価値は十分にあります。
浴槽のお湯が流れない!詰まり解消の三ステップ